続報 R-09HR 新機能・先代との比較

昨日お伝えしたR-09HRですが、いつの間にか公式サイトに情報が載っていました。
動画:http://www.roland.co.jp/mov/page/R-09HR/index.html
商品紹介:http://www.roland.co.jp/products/jp/R-09HR/index.html

このサイトを見ると、いろいろな事がわかります。

[動画から読み取れること]
・SDカード部のフタ
  R-09では電池とSDカード部が同じ場所にあり、しかもフタが開けにくかったのですが、
  電池は背面、SDカードは底面という形で分れており、開け閉めも簡単になっているように見えます。
  これは明確に「進歩」ですね。

・録音状態の確認
 正面のディスプレイ、ボタンだけでなく、上部にあるLEDで録音の動作状態を確認できるので、
 合奏中に「録音ボタン押したっけ?」と心配になってもすぐ確認できそうです。

・リモコン
 電波式か、赤外線式かは映像ではよくわかりませんでした。
 ただ、録音の開始・停止のみならず、録音レベル・再生ボリュームの調整や、録音中のトラック分けまでできるようなので非常に便利そうです。
 リモコンについては、「複数のR-09HRで混信しないか?」という点も気になるところですね。

 ※オプションのシリコンケース( http://www.roland.co.jp/products/jp/OP-R09HR-S/ )上部にLED用以外にひとつ穴があいているので、これが受光部だとすると普通の赤外線リモコンかもしれません。もしそうであれば、複数台並べておく場合は注意が必要です。

・変速再生
 変速再生ができるようですが、デモを聞く限りTASCAM DR-1のように音楽用途を意識したものではなく会議やインタビューの原稿起こし用のように思われます。

・スピーカー
 小型スピーカー(見た感じモノラル)を内蔵しています。ただ、デモ動画を見る限りイヤホンの出力をそのまま小型スピーカーで出す程度の出力のようで、「音が入っているか否かを確認する」程度のものだと思われます。こちらについては過大な期待は禁物でしょう。

[商品紹介から読み取れること]
・ノイズ
 残留ノイズ(外部の音とは関係のないノイズ)が10dB改善したということですので、「ノイズが多いR-09」の汚名を返上できるかもしれません。
 いずれにせよ、練習録音には十分なスペックであることは間違いないでしょう。

・サイズ
  R-09   63mm×102mm×29mm 145g
  R-09HR 62mm×113mm×27mm 174g
 若干大きくなっていますが、大きさ以上に重さが違いますね。OLYMPUS LS-10の165g(アルカリ電池2本含む)を超えています。本体に金属部品を多用したのでしょうか?
 ただ、首に下げたりポケットに入れるならともかく、鞄に入れて持ち運ぶ前提なら30gは誤差の範囲だと思います。

・電池の持ち
 R-09では、取扱説明書によると360mAの消費電力で、R-09HRでは370mAということですので、若干(2?3%)程度落ちるかもしれませんが、ほぼ同等であることが予想できます。
 ただ、24bit/96kHzで録音する場合、SDカードへの書き込みが増える分消費電力が増えるため、おそらく連続録音時間は少し短くなるでしょう。

・メディア
 R-09は公式には4GBのSDHCまで対応でしたが、32GBのSDHCまで対応になっています。
 16GBや32GBのSDHCを使えば、一日ぶっ通しで練習してもメディア一枚で済みそうです。
 ※CD音質なら8GBでも12時間くらい録れるので、ほとんどの場合それで十分だと思いますが・・・

・三脚穴
 R-09と同様本体にはついておらず、オプションのカバー側にカメラネジが付いています。
 ただ、あえてこうしているのには意味があって、カバー自身がクッションになることにより、地面の余分な振動を本体に伝えないようになっているようです。

・デジタル出力
 R-09にあった光デジタル出力がなくなっていますが、SDカードやUSBからファイルの形で取り出せるので、今の時代にはほとんど必要ない機能でしょう。
 ※「パソコンを持っていない」場合で「みんなに配るために本体から直接MDにダビングしたい」というようなケースも考えられるので、あったらあったで便利なんでしょうけど・・・。

ここまで見た感じではユーザの声を反映した「正常進化」という気がします。
しかし、前作もそうですが、このメーカーの製品は「録音者」よりも「演奏者」という視点で機能が作りこまれているなと強く感じますね。
たとえば上面(音を録る方向)に録音状態のLEDを配置するというのは、録音だけをやる人の視点では絶対に出てきません。

さて、問題は価格ですが、某店の予約価格で39,800円。OLYMPUS LS-10とは2?3,000円程度違います。
R-09HRは512MBのSDカードが付属、LS-10は2GB内蔵メモリがあることを考えると、差分となる容量のメディア代分程度の違いと言えます。

  

この2製品、価格・機能ともまさに正面対決のライバルと言っていいでしょうが、ざっと言って「リモコン」や「大容量メディア対応」が重要ならR-09HR、「電池の持ち」や「その場でのスピーカー再生」が優先ならLS-10と言ったところでしょうか・・・。
(少なくともカタログスペック上は)どちらもとても魅力的なので、どちらがいいか?と聞かれたら迷ってしまいます。
同じ条件で音質を比べられる機会があれば、またレポートしたいと思います。

カテゴリー: 趣味, 録音 パーマリンク