RMClock

今、僕がメインで使っているのパソコンはTWOTOPのショップブランドノート ViP Note-NY T7220/DVR/73GS-TPです。
CPUはCore2DUO T7200(2GHz)、HDDは120GB、メモリは2GBにしており事実上自宅では最速のマシンです。

この製品、ポータブルとして使うにはちょっと嵩張るけれど通常使用の範囲内ではあまり不満点は無いのですが、一つだけ致命的な欠点があります。それは、

「CPU負荷最大で回し続けると、数分でCPUの動作限界温度(95度くらい)に達し強制電源断されてしまう。」

というもの。メールやWeb閲覧、文書作成程度の日常の作業で問題になることはまずありませんが、ちょっと負荷の高い作業
(練習録音のMP3エンコードや、録ったビデオの携帯電話用エンコード、プログラムのコンパイル作業など)を行っていると頻繁に電源断が発生します。

扇風機で風を送ったりしてみましたが文字通り焼け石に水。電源断までの時間が多少延びるもののそれだけです。

本来CPUは、動作限界温度に近くなると自動的に速度を落として温度を下げるのですが、ノートの廃熱構造の問題か、
下げるタイミングと温度が上がるタイミングのバランスが良くないらしく、何回か速度を落としたり戻したりを
繰り返していると、そのうち速度を落とす前に限界温度に達し「強制電源断」となってしまうようです。

そもそも「そんな設計ってノートPCメーカーとしてどうよ?」という気もしますが、そこはそれメーカー製品に比べて格段に安く、
OEMの塊であるショップブランドノートにそんな精度を期待してもしょうがないので自分で対処することにしました。

「発熱による強制電源断」であることはほぼ確定なので、だったら「CPUの発熱を下げれば良い」じゃないかということで、
CPUの動作クロックか動作電圧を下げるのが一番手短です。そういったことが出来るツールはいくつかあるのですが、
その中でも評判がよさそうで、開発が活発に進んでいそうな RMClock を導入してみました。

このツールでは電圧・動作倍率ともに変えられるのですが、動作倍率を下げると速度が落ちてしまいますので、まずは電圧だけで
対処してみます。本来2GHzでの動作では定格1.25Vであるところ、エラーで止まらない範囲まで少しずつ下げていったところ、
1.000Vまで動作するのは確認できました。
ただ、もしこれがギリギリの線だとすると不安定になる危険性も高いだろうということで、余裕を見て2段階上げて1.025Vに設定しました。

この状態でも、CPUの消費電力は理論上(1.025^2)/(1.25^2)≒0.67 つまりおよそ2/3になっていて、それにともない発熱も減っているはずです。

この状態で実際にMP3のエンコードを行ってみたところ、それまでエンコード中はCPU温度が90度を越えることもしばしばだったのですが、
かなりシバキ倒しても80度強で落ち着いています。結果、「速度を落として温度を下げる」必要もなくなったため実効速度も上がり一石二鳥です。

さらに消費電力が下がる=バッテリーの持ちもよくなるし地球にも優しいというオマケつきです。

この状態でもう1週間ほど使っていますが、明らかに冷却ファンがフル回転する頻度が下がり、パームレストの温度も
下がっています。また、今のところ特に不安定な挙動を示すこともありません。・・・というわけで、今回の対処は「大成功!」でした。

注意:CPUの動作電圧・動作倍率を変更することは本来の仕様と違う動作をさせることになるので故障・破壊のリスクを伴います。特に電圧・クロックを「上げる」方向の改造の場合最悪の場合発火の危険もありますし、当然保証の対象外となりますので実施は自己責任で!

カテゴリー: コンピューター パーマリンク