一つの時代の終焉

ソニー、DAT製品の国内出荷を終了
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20051128/sony.htm

15年ほど前にアナログカセットと決別して以来、長い間僕の中での音楽メディアとしてスタンダードだったDAT。
90年代後半以降はほとんど新機種も出ず、実質的には製品の寿命はもう尽きていたのかもしれない。
それでも録音の現場では実績と安定性から、スタンダードの地位を維持していたのである。

しかしここ数年、ハードディスクやDVD-R・コンパクトフラッシュ等に記録するデジタル録音装置が
多く見られるようになり、僕も興味の中心がそちらに移っていった。
まだ「決定版」といえる製品は出ていないが、2?3年のうちにはこれらの製品が主流になっていくのだろう。

しかし、これまでのメディアと今後のメディアでは大きな違いがある。
今までのテープは規格が統一されていたので、たとえばどこのメーカーのDATでも、テープだけ
持っていけば再生できていたのだが、今はハードディスクやDVD-R・コンパクトフラッシュ等と、
各社色々なメディアに記録するためどこででも再生できるというものではないということだ。

なぜこうなったのか、理由は多分一つ。
近年、録音データの編集はPC上で行いPCのハードディスクに記録するものになったからだ。

つまり、以前のテープメディアはそれ自身が保存用メディアで、そこから再生するのが前提だったのだが、
今の記録メディアはPCに移す前の一時保存先に過ぎず、再生するときはPCから、もしくはCDやDVD-Audio等を
作成してそれを再生するのがアタリマエになってきたのである。

それでも、一種類のメディアに統一できればいいのではないかと思うものだが、
メディアの容量が数年で倍になる今の時代、一つのメディアにこだわって製品を作り続けることは
現実的ではなくなってしまっているのだ。

DATの終焉は、DATだけの終わりではなく、形を持った実物よりもデータが重要になったこの時代に突入したことを
強く感じさせるものだった。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

一つの時代の終焉 への2件のフィードバック

  1. かるかん のコメント:

    そういえば、僕が最初に買った中古車にお情けでついていたカーオーディオはラジオ+DATでした(笑)
    今でも家の倉庫にあります。車で聴きたい時はどうぞw

  2. まる のコメント:

    カーDATですか、珍しいもん持ってますね。
    今使ってるDATが逝ったら譲ってください(笑)

コメントは停止中です。