Boot Camp

MacにIntelチップが乗ると決まったときから誰もが考えたであろう「MacでWindows」。

先月、有志の力(http://onmac.net/)によりそれが可能になったが、そのときは
「やっぱりやる人が居たか」くらいにしか感じなかった。

しかしそれでも、今日のニュースには驚きを隠しえなかった。
Appleが発表した「Boot Camp(http://www.apple.com/macosx/bootcamp/)」
これは、WindowsをMacで使用する「Apple純正の」ツールなのである。
しかも次のMacOS Xに標準搭載予定とのことだ。

一般のエンドユーザの場合「できたら面白いね」というくらいでそれほど
大きなインパクトは無いが、たとえばDTM(デスクトップミュージック)の世界では、

 ・メジャーソフトがMacOSとWindowsで二分されているので、すごく良いツールが発売されても、
  MacOS X版だけだとWindowsユーザは指をくわえるしかない。
 ・ハードウェアメーカーは、「音響装置製造のプロフェッショナル」であるが、残念ながら
  「パソコン周辺機器製造のプロフェッショナル」ではないことが多く、WindowsとMacの両方で
  きちんと動くドライバを作ることが期待できないケースがある。
 ・これはノートに限った話だが、現在WindowsノートでIEEE1394(≒FireWire≒iLink)が
  付いている機種でも、バスパワー電力を供給できる機種はほとんど無い。
  しかしAppleのノートは伝統的にバスパワーを供給してくれるので、外に機材を
  セッティングする際にACアダプタが1個へる。(実は結構重要)

また、デザイン業界などでも DTPソフトのバージョンや環境でアウトプットが大きく
変わったりするので、WindowsとMacOS両方が使えるというのは便利であろう。

もちろん、デザイン業界などの場合「MacOS 9以前」の地位がまだまだ高く、
DTMの世界においても、Intel Mac対応のソフトが潤沢に出るのはまだ先の話だろうが、
ハードを1台持っていれば、どちらのOSもエミュレーションではなくフルスピードで
動かせるというのは、消費者にとっては幸せな話である。

また、Macのハードウェアはその機能面のみならず、デザイン面での評価も高いことから、
これまでWindowsしか使っていなかった人でも、これをきっかけに「Macのハードを買って
Windowsを入れて使う。ついでに付いてきたMacOSも使ってみる」というユーザが増える
のではないだろうか。

ここまできたら今度は「WindowsPC上でMacOS」が期待される。しかしこれについては、
http://onmac.net/ のような有志による実装が行われる可能性は高いが、
今回のようなApple純正の製品としては出ないのではないかと私は考えている。

・・・というのは、技術的な観点からは

 ・既存のWindows機は使用されているハードウェアの種類が極めて多く、MacOS用の
  ドライバを開発するのに手間がかかり、汎用製品として売り出すにはかなりの
  費用と時間がかかる。またサポートに寄せられるハードウェア組み合わせによる
  障害報告が多数になり、コストの増大に見舞われる。

という点が挙げられる。もちろん、この点は対応ハードを絞り込めば技術的に可能であろう。
しかし、最大の理由は

 ・わざわざ収益の軸になる(と思う)ハードウェアの売り上げを減らすようなことはしないの
  ではないか。

ということである。

いずれにせよ、Macが元気だとPC業界全体が活気付くところもあるので、
今後の動向がとても楽しみである。

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Boot Camp への3件のフィードバック

  1. こうらい のコメント:

    こうなったらAppleにOrigamiを作って欲しいですね。
    Appleが作る超小型PCでWindowsも走る、って想像するだけでよだれが。

  2. とくさん のコメント:

    でも、マッカーに受け入れられるのだろうか??
    そもそもあの窓が嫌いな人も多いでしょうからw

  3. まる のコメント:

    >こうらいさん
    あー、それアリですねぇ。
    さしずめNewNewtonってとこでしょうかねぇ(笑)

    >とくさん
    「MacはMacである」ことが好きな人にとっては
    「Windowsが動く」という事実が心安らかでないでしょうね。そういう意味では、既存のコアなユーザが離れる
    リスクは0ではないですが、だからといってほかに選ぶコンピュータはほとんど無いですし(笑)
    どちらかというと「大量にいるWindowsユーザをMacに(ハード売り上げとして)取り込む」のが
    目的なんじゃないでしょうか。

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